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白魔女の館

色彩の調和

 ある時、水族館突然で思った。

『固有の土地に調和する色彩はその場所の海の色彩に有るのではないだろうか?』

 日本の海の海藻や魚達の色。日本の伝統色と思われる色がたくさんある。
カツオの青銀色。鯛の赤。押さえ目ながらはでなキュウセン。実に日本的だ。

 インド洋の魚達は日本の海とは全く違う。鮮やかで何とも言えない青みの強いピンク等が印象的だ。

 沖縄の海はまた違ったきらびやかさ。鮮やかで明るいが他の地域とは違う。沖縄の衣装や建物とぴったり来る色。

 きっと各地域で微妙に異なる光線の成分が海の中に届くので、それにあわせて色が違うのだろう。

 環境にあわせて色や素材を選ぶという感覚を、まだ現代人も失ってはいないと思うのだ。ただそういう物が少ないので選べないだけのような気がする。

 100円ショップでも、近ごろはプラスチック製品より、ナチュラル素材の物が確実に多くなって来ている。

 今街を歩くと、色彩の洪水だ。調和がかけているので目がちかちかして脳が疲れる。スーパーの棚等は、恥ずかしくなるような幼稚な色の氾濫。目立ちャイイがあふれている。

 もし日本の街が日本の風土にぴったり来る色で統一されたら?街を歩くのがそれだけで楽しくなるだろう。

 ディズニーランドでは場所ごとに色彩がキチンと計算されているので気持ちがいい。(ただそれが日本の自然にマッチしているかは別の話であるが。)

 江戸時代の絵等を見ると、調和がとれていて素晴らしいなあとおもう。
限られた素材、限られた色で街が出来ているので。個性が有りながら全体としては調和している。

 現代は、二十世紀のプラスチック文化の恩恵を思いっきり受けている身ではあるが、プラスチックの自在性が裏目に出てるなあと悲しくなる。

 二十一世紀は美的感性を各自が発揮して調和した世界になると良いなあと心から思う。

 子供にあのあっけらかんとした色のクレヨンや色紙を与えるのも、ひとつの原因かなあと思う。もっと微妙な色の画材を与える必要が有ると思う。
日本の伝統色で絵を描かせればいいのになあと思う。


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